時計修理技能士とは
「時計修理技能士」という資格は、時計修理に関する国家資格です。
時計修理に関する知識と技能を兼ね備えた者に与えられる資格で、学科試験と実技試験によって資格が認定されます。
実技試験では、実際に時計の修理作業を行いますが、その難易度により3級、2級、1級の3つの級があります。
3級は、裏ぶたパッキンの交換、電池の選択、バンドの取外し・取付けといった基本的な内容を1時間15分で実施します。また1級の試験は4時間30分にわたり、分解、洗浄、部品交換、注油、測定・調整、組み立てなどを行い、指定された精度をクリアしなければなりません。
1級時計修理技能士の試験は、ソーラー発電式のクオーツ時計を用いますので、昔の時計だけでなく最近の時計にも対応した技術が求められます。
なお「時計修理技能士」は「名称独占」資格であり、職業能力開発促進法により、資格取得者以外がその資格を名乗ることはできないことになっています。
ちなみに「1級時計修理士」のような略称や「時計修理技工士」といった名称はを掲げている例も見られますが、それらは国家資格の正式名称とは異なるものです。
無論、資格がなくとも高い技術力を持つ職人もいるため、資格の有無だけで修理人の技術や経験を判断できるわけではありません。
しかし、時計修理をはじめてのお店に依頼するなら、時計修理技能士1級の資格を有する人が作業をおこなっているかどうかが、目安の1つになるでしょう。